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2013/11/19

ワーホリ出発前 これだけは絶対準備しとけ(マネー編)

以前、オーストラリアのワーホリメーカー向けに求人サイトの一覧を作ったが、オーストラリアで仕事をしようと思った時にすぐに仕事をもらえるかどうかは完全にタイミングで決まる。ワーホリメーカーは世界中からやってくるし、その数も増える一方だ。都市部で接客業をするいわゆるシティジョブも、農村のバックパッカーに泊まって農家での仕事の斡旋を待ついわゆるファームジョブも、自分がその場所にいつ着き、どのタイミングで店や農家に仕事の有無を尋ねるかで待機期間にかなりの幅が生じる。ラッキーな人は新しい場所について数日で仕事をもらえるが、運が悪ければ1ヶ月以上待たなければならないこともある。特にファームでの仕事のチャンスは色々な条件に左右される。その場所に多くのバックパッカーが滞在していれば、少ないポジションを争う椅子取りゲームになるし、それ以前に農業は自然との闘いだから、不作となれば農家は多くの人手を必要としないし、作物の成長が芳しくなければ、収穫や刈り取りといった作業が先送りされることになる。

運悪くそのような状況に陥ってしまった場合、収入源のないまま、仕事斡旋の声がかかるまで宿泊している家やバックパッカーに毎週家賃を払い続けなければならない。椅子取りゲームは体力勝負ということでもある。日本から余裕のある資金を持ってきていればある程度の期間は持ちこたえられるが、運が悪ければそれでも苦しくなることがある。手持ちのドルが無くなってくると、家賃が払えない、移動するお金すらない・・・という身動きの取れない状況になってくる。実際、周りの日本人を観察してみるとそのような危機的状況に陥っている人は少なくない。そして彼らの中には、「日本にある程度のお金はあるが、それを手元に送る手段が無い」と嘆く人がいる。それらのお金を海外で利用可能にするためには諸々の手続きが必要なのだが、それらの多くがワーホリ先に着いてからでは実行できない。手遅れにならないよう、出発前にこれだけはやっておこう。

1) ネットバンキングの利用手続き
自分が普段利用している銀行のネットバンク開設は絶対にやっておいたほうが良い。ネットバンキングを利用可能にしておけば、海外でもネット経由で自分の日本の口座の預金残高が確認できる上、出発前に確定している未来の引落や振り込みにも滞在先から対応できるようになる。更に、複数の銀行を利用している場合に両方ともネットバンキング対応にしておけば、たったの数クリックで自分の口座間で自由にお金を移動できるようになる。ネットバンキングの利用手続きは窓口でしか行えないため、出発前に必ずやっておこう。

日本滞在中でもネットバンキングのメリットは非常にデカイ。振り込みや残高照会のためにわざわざ支店に足を運ぶ必要がなくなるし、ネットバンキングの方が振込手数料が安い場合もあるからだ。たとえばゆうちょの場合、窓口だと振り込み手数料に500円以上も取られるが、ネット経由だと100円で済んだりする。

2) キャッシュパスポートの作成
日本においてきたお金を海外で利用したい場合の一つの手段がこれ。デビットカード(テレホンカードなど)のようなもので、「予め日本円で振り込んだ分だけ」海外でキャッシュカードのように買い物やATMで利用できるというもの。銀行の口座と同じように口座番号が発行され、日本円で振り込み(預金)したお金が会社独自のレートで豪ドルなどに両替され、海外で利用可能になるという仕組み。滞在先の国で手持ちのお金が無くなりそうという時に、家族や友人に頼んでこのカード宛に振り込んで貰うことで日本のお金を利用することができる。

CASH PASSPORT
http://www.jpcashpassport.jp/cashpassport/

ただ、私が利用する上記サイトのキャッシュパスポートの場合は、基本的に自分の銀行からの振り込み(預金)にしか対応しておらず(カード発行時に自分の口座情報を登録させられる)、他人名義からの振り込み(預金)には一件ごとにカード持ち主の同意書の提出が必要になる。

海外から親や友人宛にメールで同意書を送り、事情を説明して記入してもらい、その紙をキャッシュパスポート発行会社にFAXしてもらい・・・とやるのは非常に面倒だ。予めネットバンキングを利用可能にしておいた自分の銀行口座に振り込んでもらい、ネットで自分の銀行口座からキャッシュパスポートに預金をする方がスマートだろう。後述するウエスタンユニオンという海外送金専門のサービスでも日本から海外への送金は可能だが、日本からの送金はセブン銀行の開設が必要なため面倒だ。

ちなみに、キャッシュパスポートとはトラベレックスという会社の商標で、正式には外貨建てプリペイド型外貨ATMカードと呼ばれる。同様のサービスを多くの会社や銀行が提供しているので、同じ機能ならどこでもよい。

3) 海外から日本に国際送金を行うための情報
逆に滞在先の国から日本に送金したいという場合もあるだろう。その場合に必要になるのが国際送金に必要な銀行情報。国際送金を行う場合には、振込先を正しく指定するために、自分の口座の情報だけでなく、国際的に定められた銀行名の英語表記や口座を開設した支店の住所やコード番号といったものが必要になる。

国際送金に必要な銀行の情報

  • 銀行名
  • 支店名
  • 銀行番号
  • 支店番号
  • 支店住所
  • SWIFTコード
  • 口座名義
  • 口座番号
  • 受取人住所

ちなみに、これらの情報は滞在先からネットや国際電話で調べることもできるため、必ずしも日本滞在中にやっておくべきことではないが、私が利用しているりそな銀行では不正な海外送金を防ぐとの名目で銀行窓口で将来の海外送金について書類手続きが必要だった。不安ならネットバンキングの手続きとともに窓口で直接確認しておくと良い。

国際送金はなかなか面倒で初めての送金が成功するまでが大変だが、たった一文字情報を間違えたりするだけで送金処理が遅れ、お金が数ヶ月行方不明になって大変だった・・・という話をネットで見かけたりするので、しっかり確認しよう。

ワーホリ中の日本への送金
日本への送金に必要な銀行情報を入手したら、実際の海外送金手続きについても知識を身につけておいたほうが良い。海外送金と聞くと銀行で手続きをするイメージが強いが、マネーグラムやウエスタユニオンといった海外送金を専門に扱っているサービスを利用する方が手数料をはるかに安く抑えられる。送金の手続きもネット上でできるため、割と簡単だ。手数料については下記のリンクが詳しい。

カナダ留学情報サイト STUDY IN CANADA 海外送金の手数料、方法、比較
http://studyincanada.ciao.jp/shinan/money1.html


色々ある海外送金サービスの中で、私は最も手数料の安いウエスタユニオンをお勧めする。1000ドル送金する場合の記事執筆時点での送金手数料はたったの10ドルだ。


これらのサービスの初回の利用時には銀行情報入力画面のスクリーンショットを忘れずに保存しておこう。初回の送金がうまく行けば、二回目以降にはそのスクリーンショットを参照して入力すれば良いので悩む必要がない。


まとめ
上に紹介した方法を組み合わせることで、ワーホリ滞在中に手持ちのドルが無くなっても凌ぐことができる。お金が払えないほどの緊急の場合には、決済が2ヶ月後に発生することを利用して日本のクレジットカードで会計を済ますことで2ヶ月の猶予を稼ぎ、その間に捻出したドルを上述の方法で日本の銀行口座に送金し引き落としに間に合わせる―という方法も使える。これは実際に私の友人が使った手だ。

最初に述べたように、仕事が見つかるかはタイミング次第だ。仕事があると聞いてやって来たのに全然見つからない!という状況はよくある。手持ちのドルが無いせいで家賃が払えない、となった時にどうするか。日本にはお金があるのに使えない・・・と泣かないためにも、今のうちから備えておこう。

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